任意売却とは不動産にローンなどの債務が残っている状態のままで売却する方法です。
不動産を住宅ローンで購入したが何らかの事情により返済が滞った場合などに任意売却によって差し押さえを避けることができます。
不動産の任意売却のメリットや注意点、実際の手順を解説します。
そもそも不動産の任意売却とは?任意売却の条件と競売との違い
不動産をローンで購入したものの、離婚や失業などの理由により返済が難しくなってしまうケースは少なくはありません。
不動産のローンが滞り返済不能に陥った場合の対処方法は大きく以下の2つがあります。
●差し押さえられて競売に賭けられる
●任意売却によって不動産を売却する
わかりやすく比較すると以下のようになります。
競売
住宅ローンを3か月から6ヶ月程度滞納すると、債権者である金融機関から「期限の利益を喪失」を宣告され、住宅ローンの残りを一括で支払うよう求められ、それができなければ、不動産が裁判所の承認により強制的に売却され、債権の回収にあてられます。
これを競売と呼び、通常の売却よりも低い金額での売却となり所有者は強制的に退去させられます。
任意売却
住宅ローンの返済が滞った際に競売を避け、所有者の希望条件で売却する方法です。
競売と比較しても有利な条件で売却できる可能性があります。
ただし、債権者である金融機関の同意が必要です。
不動産を任意売却する場合のメリット・デメリット
金融機関の同意が得れられたうえで任意売却に成功した場合には以下のようなメリットが考えられます。
●通常売却と同等の価格で売却可能
●売却の情報が周囲に知られづらい
●売り渡しの期間などに所有者の意志が反映できる
●必要経費を売却益から捻出できる
ただしローン残高が多い場合は、任意売却に成功したとしても全額返済できるとは限りません。
任意売却をおこなった場合には、ローンを解消しているため残りの債務は一括返済しなければなりません。
その場合はローン残額の分割返済を債務者である金融機関に相談することになります。
また、任意売却が一定の期間内で成立しなかった場合には競売となりブラックリストに掲載される恐れも考えられます。
やはり、せっかく購入した自宅を手放さないためには着実に返済を続けることが何よりも大切です。
不動産の任意売却の手順と流れ
不動産の任意売却の流れは以下の通とおりです。
●債権者である金融機関への相談
●現在の物件価値を把握
●債権者の同意により売却活動をおこなう
●売買契約成立・物件の引き渡し
●任意売却後の残額整理
任意売却の流れでまず重要なのは、債権者である金融機関の同意を得ることです。
不同意となった場合には、残高を一括返済できない限り競売は避けられません。
その際には弁護士などに相談し、やむを得ず自己破産などの方法で残額を処理するケースも考えられます。